美容業界で働く方から注目を集める化粧品に関する資格。
美容ライターとして記事を書くために「知識を深めたい」「肩書きがほしい」という思いから「化粧品検定」と「化粧品成分検定」を受験しました。
名前は似ていますが、この2つの検定試験は求められる知識がかなり異なります。
そのため、当然試験内容にも大きな違いが!
ここでは、実際に受験してわかった化粧品検定と化粧品成分検定の違いをご紹介します。
以下のような内容を中心にお伝えしていきます。
- それぞれの違いは?どんな問題が出る?
- 資格を取得して役に立つのはどっち?
- どちらの方が人気がある?
化粧品検定と化粧品成分検定はカバーしている範囲が違う
この2つの検定試験は以下のような目的の違いから、学習する範囲が異なります。
- 化粧品検定・・・化粧品を正しく使える知識を身につける
- 化粧品成分検定・・・目的に合った化粧品を正しく選択できるようにする
実際に化粧品検定と化粧品成分検定の2つを受験しましたが……
テキストの内容も試験の内容もかなり違いがありました。
化粧品検定は美容に関する幅広い内容
化粧品検定は、肌のしくみからコスメの使い方まで美容に関して幅広い内容をカバーしているのが特徴。
そのため、化粧品検定の方がテキストにボリュームがあります。
コスメの歴史、理想的な眉の形、クマをカバーできる色、髪のつくりなど美容に関する情報を総合的にカバーしている感じ。
私生活で役に立つ情報も多く、楽しく学べます。
化粧品成分検定は成分に対する理解
化粧品成分検定は、成分に特化してアイテム選択の参考になる知識を身につけられる内容。
テキストは「水性成分」「油性成分」など種類ごとに章が分けられ、中身は「BG」や「ヒアルロン酸Na」などの成分の説明と特徴が載っていて図鑑に近い感じ。
どちらを受験するか迷っている方は、どういう知識を身につけたいかで選択するのがいいと思います。
「美容全般について学びたい」➡化粧品検定
「成分をチェックしながら化粧品を選びたい」➡化粧品成分検定
化粧品検定・化粧品成分検定の試験問題の違い
「化粧品検定は範囲が広い分、勉強が大変そう」
「化粧品成分検定は成分の特徴を覚えるのが難しそう」
それぞれ試験に対して不安な気持ちも感じますよね。
私が考えた例題ですが、試験では以下のような問題が出題されます。
化粧品検定の例題
Q1.青くまができる主な原因と考えられるものは?
1:メラニンによる色素沈着
2:年齢による肌のハリや弾力の低下
3:目の周りの血行不良
4:乾燥
Q2.表皮の生まれ変わりをターンオーバーといいますが、理想的なターンオーバーの周期は?
1:14日
2:21日
3:28日
4:40日
ちなみにQ1の答えは3、Q2の答えは3です。
1級も2級も記述問題はなし。
マークシートの4択問題です。
化粧品成分検定の例題
Q1.肌質改善効果が期待できる成分は?
①ヒアルロン酸
②セラミド
③グリチルリチン酸2K
④BG
⑤水溶性コラーゲン
Q2.スクワランは次の中のどの種類の成分?
①水性成分
②界面活性剤
③抗炎症
④油性成分
⑤pH調整
ちなみにQ1の答えは②、Q2の答えは④です。
2級はマークシートのみ、1級はマークシート+成分名を答える記述問題があります。
化粧品成分検定1級を受験しましたが、記述問題以外は5択から答える形式でした。
「記述問題は成分名を答える」と聞くとなんだかすごく難しそうな感じがしますが、問題文中から選ぶ形だったり、名前が長くて覚えにくいものは出題されないようだったりで、実際そんなに難しくはありませんでした。
試験の合格ライン
それぞれの試験の問題数や合格ラインは以下のとおり。
試験時間 | 問題数 | 合格ライン | |
---|---|---|---|
化粧品検定 | 1級:60分 2級:50分 | 60問 | 正答率約70%以上 |
化粧品成分検定 | 1級:90分 2級:70分 | 1級:70問 2級:60問 | 正答率80%以上 |
化粧品成分検定の合格ラインは正答率80%以上なので、化粧品検定よりも少しだけハードルが上がります。
ちなみに合格率は、化粧品検定2級は71.6%、1級は66.3%(※1)。
化粧品成分検定では、2級が68%、1級は65%(※2)と公表されています。
※1:過去5回の合格率の平均値(2024年4月時点)
※第13回化粧品成分検定の結果より
【実際に受験した感想】化粧品検定と化粧品成分検定はどちらが簡単?
私は両検定試験の1級を受験しましたが、どちらもテキストをしっかり読み込んでおけば難しくないレベルに感じました。
全然勉強しなくても答えられるほど易しくはありませんが、テキストを何周も読み込むつもりでやっておけば問題なく合格できるレベル!
どちらも「これ見たことある」と感じるような問題集そのまま、もしくは少し言い方を変えたような問題が多い印象でした。
化粧品検定|テキストに沿った内容のみ!内容を理解していれば問題なし
化粧品検定は出題範囲は広いですが、テキストに載っていないる内容のみ。
テキスト外の内容は出題されず、初見で戸惑うような内容なありませんでした。
テキストや問題集を何周かやっておけば間違いなく合格できるレベル!
ただし、1級の出題範囲は2級・3級の内容も含みます。
いきなり1級からチャレンジすることもできますが、出題範囲を考えるとテキストを2冊用意する必要はあります。
- 1級出題範囲:1級対策テキスト、2級・3級対策テキスト
- 2級出題範囲:2級・3級対策テキスト
テキストは書店でも購入できますが、問題集は公式サイトのみで販売されています。
問題集もあった方が実践練習にもなり、理解が深まるかなと思います。
公式サイトで問題集をチェック⇒日本化粧品検定 公式教材
化粧品検定の学習ポイントについて、以下の記事で紹介しています。
学習量や実際に受験して感じた「ここは抑えておくところ」と感じたポイントなどを紹介しています。
化粧品成分検定|イレギュラーな出題はあるが問題集と同等レベル
化粧品成分検定では、テキスト中ではピックアップされていない成分の特徴を問う問題が数問出題されました。
イレギュラーな問題にちょっと焦りましたが、その他はテキストで扱っている成分の特徴を問うものばかり。
テキストをしっかり読み込んでいけば大丈夫だと思います。
レベル的には問題集と同じくらいに感じました。
どちらかを勉強していればもう一方を勉強する際に役立つ知識はありますが、化粧品検定の勉強をしたからといって化粧品成分検定の試験に合格することは難しいと思います。その逆も同じ。
基本的にどちらもテキストの内容を理解しているか確認するような内容なので、それぞれのテキストさえしっかり読み込んでおけば合格できるレベルだと思います。
人気があるのは化粧品検定?!
実際に受験してみて、化粧品検定の方が人気があるように感じました。
受験会場数は化粧品検定の方が圧倒的に多い
化粧品検定は全国27都道府県28会場で実施されています(2024年時点)。
一方、化粧品成分検定は全国のテストセンターでのCBT受験も導入されていますが、会場受験は東京、大阪、福岡の3カ所のみ。
私はテストセンターで受験しましたが、当日の受験人数は数人……
結構都市部の会場でしたが、片手で数えられる人数しかいなかったことにびっくりしました(汗)
化粧品成分検定は化粧品検定に比べたら、マイナーな試験なのかもしれません。
化粧品検定は資格取得後のサポートも厚い
資格を取ったら「化粧品検定1級」や「化粧品成分検定1級」を名乗ることができます。
さらに、それぞれ申請すれば以下の資格認定を受けることができます。
- 化粧品検定1級➡コスメコンシェルジュ
- 化粧品成分検定1級➡化粧品成分上級スペシャリスト
コンシェルジュとかスペシャリストとか付くと専門家っぽい!
美容ライターとして名乗れる資格がほしくて、どちらも申請を出しました。
日本化粧品検定協会に入会し、コスメコンシェルジュになったことで恩恵を受けられていると感じる部分が多いです。
化粧品のトレンドに沿った勉強メルマガや、専門家の先生による講義の動画を見られたり、コスメのサンプルをもらえたり。
資格取得後も知識を身につけたい、トレンドを抑えたい方には「化粧品検定1級合格⇒コスメコンシェルジュ取得」というのがおすすめです。
さらに、化粧品検定では化粧品検定合格を目指す方をサポートするインストラクターの資格や、知識を活かして記事を書くコスメライター資格もあります。
その後のキャリアに繋げられる体制が整っています。
コスメライター取得を目指し、コスメライター養成講座を受講しました。
学習内容や試験についての感想をこちらの記事で紹介しています↓
化粧品検定と化粧品成分検定 知識が役に立つのはどっち?
美容ライターとしての仕事にプラスになるかなと化粧品検定を受験。
知識が身に付いたことで肌の説明など、スムーズに書けるようになった部分もありますが、「もっとアイテム選びにも自信を持ちたい!」と化粧品成分検定を受験しました。
例えば、乾燥肌向けの記事を書くときに大事なのは以下の内容。
- 乾燥肌になる原因は?
- 乾燥肌ってどういう状態?
これは化粧品検定の知識を使います。
そして、乾燥肌に合うアイテムを紹介する際に大切なのは以下の内容。
- 乾燥肌にはどういう成分が必要?
- 避けた方がいい成分は?
今度は化粧品成分検定の知識が役に立ちます。
化粧品検定の内容はスキンケア・メイク・ボディケア・ヘアケアなど総合的な知識が身につくので、広い分野で知識が身につきます。
一方、化粧品成分検定の内容はより具体的なアイテム選びに役立ちます。
「このクレンジングは人気だけど、乾燥肌にも向いている?」「汚れ落としはどんな成分に頼っている?」といったことが気になる方には化粧品成分検定がおすすめです。
化粧品に関連する資格である「薬機法管理者」「コスメ薬機法管理者」を取得しました!
「試験の難易度は?」
「どれくらいの勉強時間で合格できた?」
という点を以下の記事でご紹介しています。
薬機法にも興味のある方はぜひチェック!
【体験談】薬機法管理者資格はハードル低め?!勉強方法&勉強時間を紹介化粧品検定と化粧品成分検定の試験実施時期や受験料は?
どちらも1~3級まであり、3級はWebでいつでも無料受験可能。
1、2級に関しては検定試験を年2回実施している点が共通しています。
化粧品検定 | 化粧品成分検定 | |
実施機関 | 日本化粧品検定協会 (JCLA) | 化粧品成分検定協会 (CILA) |
試験時期 | 5月・11月の年2回 | 6月・12月の年2回 |
試験時間 | 1級:60分 2級:50分 | 1級:90分 2級:70分 |
受験料 | 1級:13,200円(税込) 2級:8,800円(税込) 1級・2級併願:19,800円(税込) 3級:無料 | 1級:12,100円(税込) 2級:7,700円(税込) 3級:無料 |
受験資格 | なし | なし |
受験資格はなく、いきなり1級受験が可能な点も共通。
美容関連の仕事をしている方はもちろん、自分自身のコスメ選びにも役立つ知識が身につくのでどちらもおすすめです!
まとめ
化粧品検定と化粧品成分検定の違いについてご紹介しました。
試験のレベル感だけを言うならどちらもそれほど難しくはないと思います。
身につく知識はかなり違うので、美容について広く知識がほしいなら化粧品検定、成分を読み取ってアイテムを選べるようになりたいなら化粧品成分検定の受験がおすすめです。